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ペットと栄養学

犬と猫の食性

犬と猫の食性

犬も猫も食肉目に属する動物です。食肉目だからといって食性として肉食とは限りません。
いい例は、「パンダ」。同様に食肉目に属する動物ですが主食は笹!熊は肉も食べますが、木の実も食べます。
犬と猫はどうなっているのでしょう。

犬と猫の食性の違い
オオカミ
犬の食性

犬は「雑食」です。
祖先といわれているオオカミは意外なことに狩りがあまり上手ではありません。自分が捕まえた動物のお肉だけを食べていたら飢えてしまうので、ベリー類やキノコ、腐肉(死んでいる動物)も食べます。草食動物の内臓(植物成分)も一緒に食べます。
オオカミは食べられるときに食べておかないと次にいつ食べられるかわかりません。犬にごはんを与えるときに適量を与えないと全部食べてしまうといわれるのはそのためと考えられます。(小食なわんちゃんもいますけど・・。)

野生の猫
猫の食性

猫は完全な「肉食」です。
狩りが上手で、野生の猫はネズミ、鳥、カエルなどを捕食します。狩りへの衝動が強く、食べている最中にネズミが通りかかると食べ物を放り出して捕まえに行くぐらいです。主食は骨格筋(お肉)で、内臓の中身(植物成分)も食べようとしません。
いつでも捕まえて食べられるので、今時分の適量を食べます。猫にはお皿にごはんを山もり盛り付けていても適量をちょっとずつ食べていきます。(犬のように食べてしまって太っていく猫ちゃんもいますけどね。)

犬と猫の比較
食性 肉食中心の雑食
先祖の狼は腐肉食。果物、ベリー類、キノコ類等の植物も食べる。
捕食した動物の内臓やその中にある植物成分も食べる。
狩りが下手⇒今食べられるものは全て食べる。⇒食べさせる量は原則飼い主が管理
完全肉食
捕食衝動が強い。野生化した猫は小型げっ歯類、鳥、は虫類、昆虫、カエル等を捕食。
捕食した動物の内臓内の植物成分を避ける傾向
狩りが上手で少量頻回摂食。約20回に分割して食べる。⇒盛り付けておいて自由採食にしても大丈夫な場合もある。
3大栄養素
バランス
タンパク質:25%
脂質:15%
炭水化物:60%
タンパク質:35%
脂質:20%
炭水化物:45%
口・歯 食べ物を咀嚼せずかみ切って飲み込んでしまう。
食べ物を切る切歯、しっかり咥える犬歯と前臼歯、噛み砕く後臼歯がある。
唾液は飲み込むための補助だけでなく、口腔内洗浄、粘膜の保護、体温調整にも役立つが、デンプン分解酵素は含まれない。
獲物の皮を剥いだりする切歯、くわえ込む犬歯、飲み込める大きさまで切り裂く臼歯がある。
噛み砕くという動作はない。⇒犬のおやつに骨はあるけど猫には存在しない。
唾液については犬と同じ。
消化・代謝 腸管・身長比=6:1
人と同様に小腸、大腸、盲腸を持つ。盲腸と大腸には一部の繊維質を分解する微生物が成育する。
腸内フローラ(細菌叢)を適切にするために食物繊維を食べる必要がある。
乳糖(ラクトース)分解酵素を持たない。
腸管・身長比=4:1
ほ乳類の中で最もタンパク質を多く必要とする動物。
肝臓の窒素化合物分解酵素の活性が高くタンパク質をエネルギー源としても活用しやすい。
タンパク質と脂肪さえあれば炭水化物を必要としないが、40%(乾物量)程度の糖質は消化が可能。
ラクトースの大量消化には適さない。
アミラーゼが犬の約5%⇒果糖は利用不可。ブドウ糖の代謝能力も低い。
3大栄養素
バランス
タンパク質:25%DM、脂質:15%DM、炭水化物:60%DM
タンパク質の過剰摂取は代謝副産物の排泄に腎臓負担がかかる。
糖質(炭水化物)を効率的に消化する能力あり。糖質を適切に含有するフードによって食べたアミノ酸の温存に貢献する。
タンパク質:35%DM、脂質:20%DM、炭水化物:45%DM
肝臓でアミノ酸から糖質を作って利用する能力が高い。タンパク質をエネルギー源として積極的に利用する。
炭水化物を全く利用できないわけではない。
脂質の利用能力が高い。
アミノ酸のタウリン、脂肪酸のアラキドン酸は猫特有の必須栄養素⇒どちらも動物性食餌に豊富に含有⇒完全肉食の特徴
エネルギー 不妊処置、年齢、活動量、環境温度、皮膚・被毛などで必要エネルギーが変動。個々の犬で必要エネルギーは平均から約±50%でばらつきがある。 活動レベルでの必要エネルギーの差違はあるが、同じ年齢や活動量、気温等での個体差のばらつきが少ない。
水分摂取 自分で水分摂取を調節出来る。清潔な水を自由に好きなだけ飲める様にしておく必要がある。高齢では脱水に鈍感になる。慢性腎臓病兆候が見られる場合、心臓病治療(利尿薬使用)では水分摂取量の観察が必要。
夏場、パンティングで多くの水分を蒸散するのでより多くの水分摂取が必要。
先祖のリビアヤマネコは乾燥地域に適応⇒摂取水分を温存する能力が高い⇒おしっこが濃くなる⇒尿路疾患(FLUTD)の危険性大
脱水に鈍感⇒自分で水分摂取量を補正が十分に出来ない傾向⇒水分摂取を促すために複数箇所に水飲み場設置
その他 猫特有の必須栄養素:ビタミンA(プロビタミンのβカロテンではダメ)、アラキドン酸、タウリン

ここに掲載の内容はあくまでご参考いただくことを目的としております。この内容に基づくあらゆる行動の結果について当店は責任を負いかねますことをご了承ください。

栄養管理の重要性

全ての栄養素は摂取する量によって毒にも薬にもなる。

ここでいう「毒」とは「毒物」のことではありません。体に悪影響を及ぼすということです。その意味では毒物と変わりません。でも栄養素が毒物にもなる?分かりにくいですね。
「過剰摂取」という言葉は聞いたことがあると思います。では、際限なく摂取するとどうなるのでしょう。その逆に全くとらないと・・。もうお分かりですね。栄養管理が大切なのはそのためです。

栄養管理の重要性
栄養摂取は適正量が大切

「栄養」というぐらいですから、各栄養素は不足するとよくないことは想像しやすいです。完全に不足すると「欠乏」に陥ります。それが必須栄養素の場合は、生命を維持することができません。中には体内で生成でき、食べなくても不足しない栄養素もあります。(必須栄養素については、こちら

逆に摂りすぎると過剰摂取で、限度を超えると毒性を帯びてきます。いずれ「致死量」に到達します。

私たちが生きていくのに重要なミネラルである食塩を例にとってみましょう。欠乏すれば生きていけない重要な栄養素ですが、致死量も存在します。500gもの塩を一度に食べれば、ほぼ死ぬことができます。

各栄養素の摂取量が適正量となるよう、食事の管理が重要となります。手作り食の難しさはここにあります。 多くの種類が販売されている「総合栄養食」は、水とそれだけで犬や猫に必要な栄養素を適切に網羅できるよう作られています。

野生動物
本能に従って体に必要な栄養素を食べる。
ペット
飼い主が与える食べ物を食べる。

欲しがるからといっておやつばかりを与えていませんか?食べたいものだけを与えるのは本当の愛情といえるのでしょうか?(人間の子供も同じですが・・)




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「6大?」栄養素

6大?栄養素

「3大栄養素」や「5大栄養素」という言葉は聞いたことがあると思います。6大栄養素?あと一つは何でしょう?
栄養素は原則、食事によって摂取します。食事には体作りなど種々の目的がありますが、主目的は「エネルギーの摂取」です。

3大栄養素と5大栄養素

タンパク質、炭水化物、脂質、これらが3大栄養素です。3大栄養素にビタミン、ミネラルを加えたものを5大栄養素といいます。ここまでは、よく聞く話ですね。

必要な3大栄養素の割合の比較

人間・犬・猫に必要とされる3大栄養素の割合の比較です。
犬は人よりもタンパク質を多く必要としていますが、雑食性なので3大栄養素の割合が人間に近くなっています。
猫は肉食性なので人や犬よりもタンパク質がたくさん必要になります。

では、話を元に戻しまして、6つ目の重要な栄養素は・・・
ご存知の方も多いと思いますが、「」です。
(食物繊維のことを6つ目の栄養素と定義する場合もあります。)

水も重要な栄養素

体の成分の約60%は水分です。動物は水分を15〜20%失うと生きていけません。
また、摂取した栄養素や体内の各種物質を運搬したり、体温の調節に使われたりもします。おしっこや汗、唾液などでどんどん体外へ排出されるため、水は常時補給し続けなければならなりません。

6大栄養素の必要量と役割

6大栄養素を必要量の多いものから順に積み重ねてみました。
最も大切な水は、5大栄養素よりもたくさん必要です。ミネラルになると種類によって1日の必要量が数グラムのものから数マイクログラムほどになり、ビタミンに至ってはマイクログラムほどの量になります。もう、目では見えませんね。

体を動かしたり生命機能を維持(呼吸したり心臓動かしたりなど)するのに必要な「エネルギー」を生み出すのは3大栄養素だけです。食事の主目的であるエネルギーの摂取はまさに3大栄養素の摂取ともいえます。3大栄養素のいずれかを減らしたら、他の栄養素で同じカロリーを補わなければエネルギー不足となります。この摂取エネルギーが過剰だと・・・肥満ですね。炭水化物・油=肥満ではありません。タンパク質だって立派なエネルギー源。摂りすぎたら肥満になるんです。(カロリー摂取については、こちらをどうぞ




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水分摂取

水分摂取

大事な水分補給。飲み水の準備は大丈夫ですか?好きな時にいつもきれいな水が飲めるようになっていますか?
水分の摂取は飲み水からだけではありません。食べるものにも水分は含まれています。そしてあと一つ。さてそれは何でしょう?(メインの内容ではありませんので、軽~く考えてくださいね。)

水の必要量
水分必要量の目安

1日に必要な水分量(ml)の目安は、概ね1日に必要なエネルギー量(DER:Daily Energy Requirement)のカロリー値(kcal)となります。人間も同じですよね。あくまで目安ですのでいろんな条件で変化します。
授乳期や下痢・嘔吐などの体調不良や発熱などの時は通常よりももっとたくさんの水分が必要です。

これを体重に置き換えると、体重1㎏あたり約50mlとなります。こちらは本当にざっくり目安です。

乾燥地方

猫は乾燥地方が原産です。のどの渇きに強いのですが、逆にいうと「鈍感」ということです。水を飲むために移動することはほとんどなく、歩いていて水が目に止まったから飲むぐらいなのだそうです。
猫が歩き回る家じゅうの全ての部屋に水飲み場を作るぐらいでちょうどいいぐらいです。

フードの種類による飲水量の違い

フードの種類によってそこに含まれる水分量がかなり異なります。そんなの見れば分かると突っ込まれそう・・・(詳しくは、こちら)。そのために食べているフードでも必要な「飲水」量は異なります。

ドライフードには水分がほとんどありませんから、水をたくさん飲む必要がありますが、ウエットフードと飲水の方がドライフードと飲水よりも水分摂取量は多くなるとの研究結果が発表されています。水だけを別途飲むというのも大変なのでしょうね。仮に私たちがみそ汁や水分の多い食べ物を口にせず、クラッカーとサプリメントのみを食べて不足する水分は「真水」のみで補うとすると・・・そんなには飲めませんよね。

フードの種類による飲水量の違い

ウェットフードの利点はここにあります。夏場の食欲が減退するときだけでなく、秋から冬にかけての乾燥時期もウェットフードは水分摂取のために活用できます。乾燥時期に水分が不足すると結石になりやすいです。その予防にもウエットフードをご活用ください。

もう一つの水分摂取

最初の問題の「?」は「代謝水(Metabolic Water)」です。3大栄養素(炭水化物、脂肪タンパク質)を分解してエネルギーを取り出すときに生じるものです。やかんを火にかけるとやかんの周りが曇りますが、これはガスが燃えたときに発生する水蒸気によるものです。

代謝水の量

エネルギー生成100kcalあたり13mlの代謝水が生じます。ラクダのコブの中身は脂肪ですが、これを燃やすことで生じる代謝水のおかげで、砂漠で水をあまり飲まずに生きていけるのです。

このことは、フードを食べさせるときに水が要らない理由にはなりません。水は十分に与えてください。常時飲みたいときに飲みたいだけのきれいな水が飲めるようにしておくことは、飼い主の義務といえます。

加えて、日々の飲水量はよくモニターしておきましょう。犬なら飲水ボトルの減り具合でわかるかと思います。猫の場合はあちこちに水を置くのでわかりにくいですが、トイレの砂の塊の量で判断できるそうです。急激に飲水量が変化したときは体調不良を疑ってください。増えた場合もです。例えば、高齢犬で飲水量が増加した場合は腎臓の病気の疑いがあります。





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必須栄養素

必須栄養素

必須栄養素とは、身体の維持に必要ではあるものの、体内では合成できないために食べ物から得なければならない栄養素のことです。必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミンなどがあります。
「体が必要とする栄養素」でも体内で合成できるものもたくさんあります。それらは「必須栄養素」とは言いません。必須栄養素は食べなければ生命を維持することができません。

必須栄養素とは

アミノ酸にも脂肪酸にも「必須」と「必須でない」ものがありますが、「必須でない」からといって「必要ない」わけではありません。健康な生活を送る上でやっぱり栄養のバランスが大切です。体内で生命が維持できる程度に合成出来たとしても、健康維持の観点で不足するものはやっぱり食べ物から摂取することが大切です。

ビタミン」って、いろいろありますね。AとかB2とか。それらすべてが「必須栄養素」だということをご存知ですか?
ビタミンとは、「必須栄養素のうち、3大栄養素(炭水化物、タンパク質脂質)以外の有機化合物の総称」です。ビタミンという言葉の中に「必須」が含まれています。

人間にとっての必須栄養素であるビタミンC、これ、実は犬と猫にとってはビタミンではないんですよ。つまり、必須栄養素ではないんです。
だから、ドッグフードやキャットフードに人間にとってのビタミンCを抗酸化素材として添加する場合、ビタミンCと書かずに物質名の「アスコルビン酸」と記載するのが正しい書き方です。もし、フードの袋に「アスコルビン酸」と書いてあったら、「なにこれ?怪しい添加物?」と思わずに、「このメーカー、栄養素の本質を分かっているじゃん。」と思ってください。

ちなみにアスコルビン酸(ビタミンC)を必須栄養素とするのは人間とモルモットなんですよ。
各必須栄養素の詳細はそれぞれ別途ご紹介したいと思います。

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タンパク質

炭水化物

タンパク質は、被毛、皮膚、筋肉などなど・・体の様々な組織を構成する重要な栄養素です。3大栄養素の一つですから、エネルギーとしても用いられます。

タンパク質を構成するアミノ酸の種類

タンパク質はいくつかのアミノ酸の組み合わせで構成されてますが、どのようなタンパク質となり、筋肉や臓器や皮膚に使われるかは構成するアミノ酸の種類で決まります。

どのアミノ酸をどれだけ使ってどんなタンパク質をどれぐらい作るのかについては、DNAの中に暗号化されています。

タンパク質を構成するアミノ酸

タンパク質は約20種類のアミノ酸が組み合わせで構成されています。逆にタンパク質を食べるとそこに含まれるタンパク質がアミノ酸に分解されて消化吸収されます。

アミノ酸は他の物質やアミノ酸から体内で合成されるものもありますが、合成されないか合成されても微量すぎて不足する場合は、食べ物から補わなければなりません。 食べ物で補わなければならないアミノ酸を必須アミノ酸といいます。必須栄養素の一つです。

体内で合成できるアミノ酸か必須アミノ酸(食べなければならない)かは、生き物の種別によって異なります。人、犬、猫・・・ それぞれで異なります。詳しくは必須アミノ酸のところで説明します。

タンパク質の品質の尺度(生物価)

食べ物に含まれているタンパク質を表す尺度にはいくつか種類があります。ここでは「食べたものが体づくりにどれだけ使われるか」で考えてみます。

食べたものはまず消化されて体に吸収されます。消化・吸収されなかったものはうんち(糞)となって体外に排出されます。ということは、タンパク質の「消化率」が大事になりますね。

次に吸収したタンパク質(アミノ酸)の内、体づくりに使われなかったものは形を変えておしっこ(尿)となって排出されます。吸収されたタンパク質・アミノ酸の内、どれだけ捨てられずに使われたかを示す指標が「生物価(Biological protein Value:BV)」です。

タンパク質の消化・吸収・利用

「生物価」は、体内に吸収したタンパク・アミノ酸の内、体内に蓄えられた量の割合をそこに含まれる窒素で計算した値です。(タンパク質を含む食事とタンパク質を抜き取った食事とを与えてそれぞれで食べたもの、うんち、おしっこの中の窒素量を計測して計算します。ややこしいので省略しますね。)

タンパク質の生物価

生物価を高めれば少量のタンパク質でもしっかりと体を作れることが分かります。でも、なぜせっかく消化・吸収したのに捨てられてしまうアミノ酸があるのでしょうか?

アミノ酸のバランス(アミノ酸スコア)

生物の体内では各種アミノ酸を使ってタンパク質を合成して体を作っていきます。そのアミノ酸は食べ物を消化分解したり体内で他の物質から合成したりしたものです。

必須アミノ酸の場合食べ物から得なければ必要なタンパク質の合成ができなくなります。タンパク質から得られる必須アミノ酸の一例を見てみましょう。

アミノ酸バランスの良いタンパク質

「タンパク質A」は、アミノ酸バランスの良いタンパク質の例です。
タンパク質Aからは、再度タンパク質を合成するために必要な必須アミノ酸をどれもバランスよく得られます。

次にアミノ酸バランスの良くないタンパク質の例として「タンパク質B」を見てみます。

アミノ酸バランスの良くないタンパク質

アミノ酸cだけが極端に少なく、他のアミノ酸は必要量を超過しています。

タンパク質Bでこのアミノ酸cを補うためには、アミノ酸cが必要ラインに届くまでたくさんのタンパク質Bを食べなければなりません。

バランスの悪いたんぱく質はたくさん食べなければならない。

必須アミノ酸cを補うためにたくさん食べなければならず、その分の食事量増大が負担になります。生物価の低いタンパク質はアミノ酸バランス(アミノ酸スコアとも言います)がよくないタンパク質となります。たくさん食べても必要ラインを超えた他のアミノ酸は体づくりに使われることなく捨てられてしまいます。生物価が低くなるのはこの場合です。

タウリン(「アミノ酸」ではないとする説もありますがここでは便宜上必須アミノ酸とします。猫にとって必須「栄養素」であることには変わりありません。)は動物のお肉にしか含まれないアミノ酸です。ネコにベジタリアンな食生活をさせると生きていけません。

コラーゲンに熱を加えて作る「ゼラチン」はタンパク質の塊のようなもの。なのにアミノ酸スコアは0(ゼロ)です。人・犬・猫に共通な必須アミノ酸である「トリプトファン」が含まれていないからです。食品のアミノ酸スコアはそこに含まれる必須アミノ酸の内、最も低い量のもので評価します。

不足するアミノ酸を補う方法は大きく2種類です。

  • 最も不足する必須アミノ酸(制限アミノ酸)が必要量に届くまで食べる量全体を増やす
  • 他の食品の食べ合わせでカバー

食べる量を増やすのは、小食の子やそもそもたくさん食べなければならない子犬・子猫、妊娠授乳期の母犬・母猫などは食べる負担が一段と大きくなってしまいます。

タンパク質を食べてアミノ酸に分解⇒アミノ酸をタンパク質に合成

動物にとって最も優れたタンパク質とは・・・残酷な話ですが「共食い」です。得られるアミノ酸のバランスが、体作りに必要なアミノ酸のバランスと一致するからです。

でも、そういうわけにはいかないですよね。だから、できるだけアミノ酸バランスの良い材料で作られたフードを食べさせてあげたいものです。

フードでのタンパク質の要求量

AAFCOが定める総合栄養食の栄養基準では、ドッグフード・キャットフードそれぞれでタンパク質の要求量(最低の配合分量)が定められています。

タンパク質の要求量
タンパク質とアンモニア

タンパク質を分解すると有毒なアンモニアが生じます。アンモニアが脳に入ると脳症を招きます。

アンモニアは肝臓で毒性の低い尿素に代謝され、尿として排泄されます。肝臓の病気でアンモニアを尿素に代謝する機能を失うとお肉が食べられないということになりますし、高齢で肝機能が弱ってきた場合、高タンパクフードを避ける必要も出てきます。


犬と猫の必須アミノ酸については、別でお話しします。




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必須アミノ酸

必須アミノ酸

生物の種類によって体内で合成できるアミノ酸の種類が違います。そのため、必須アミノ酸の種類も人・犬・猫で異なってきます。

人の必須アミノ酸

タンパク質を構成するアミノ酸のうち、人の必須アミノ酸はつぎのとおりです。

人の必須アミノ酸

黒字が必須アミノ酸、灰色で線が引かれているのが非必須のアミノ酸です。全部で9種類です。

ヒスチジンは成長期のみ必須アミノ酸です。スレオニンは文献によっては「トレオニン」と記述されているものもあります。英語ではthreonineです。

犬の必須アミノ酸

犬の必須アミノ酸は次の10種類です。

犬の必須アミノ酸

人の必須アミノ酸にアルギニンを加えたものです。AAFCOが定めるドッグフードの総合栄養食の基準ではこれら必須アミノ酸の最低量が規定されています。

猫の必須アミノ酸

猫の必須アミノ酸は、犬の必須アミノ酸にタウリンが加わるのが特徴です。

猫の必須アミノ酸

キャットフードの総合栄養食の栄養基準ではタウリンの最低量も定められています。




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脂質

脂質

「脂肪=不健康」そんなイメージをお持ちの飼い主様を時々お見かけします。脂肪は動物にとって不可欠な栄養素。だって、細胞膜は脂質でできているのですから。

炭水化物は食べなくても生きていけますが、脂肪・脂質は食べなければ生きていけません。人間も同じです。「無脂肪ダイエット」というものは存在しません。

そもそも脂肪・脂質って何?

脂質はエーテルやベンゼンなどの有機溶媒に溶けることができる物質の総称です。脂肪や脂肪酸も脂質の一種です。

脂質の分類

脂質は種類も多く、その中には生理的に重要な物質が多々存在します。このうちエネルギー源となるのは「脂肪」で、他の脂質はエネルギー源としてはあまり期待できません。

脂肪は、グリセリンに3個の脂肪酸がくっついたもので、正式名称は「トリアシルグリセロール」といいます。

脂肪の構成

脂肪は室温で液体(油)の植物性と室温で固体(脂)の動物性に分けられ、両者を合わせて「油脂」といいます。植物性油脂には不飽和脂肪酸が、動物性油脂には飽和脂肪酸が多く含まれます。例外として魚油や鶏油は植物性油脂のように不飽和脂肪酸を多く含みます。

脂肪酸には、植物性油脂、魚油、鶏脂に多く含まれる不飽和脂肪酸と肉類、乳製品に多く含まれる飽和脂肪酸があります。

脂肪酸の分類

この中でもω-6脂肪酸のリノール酸(猫はアラキドン酸も)やω-3脂肪酸のα-リノレン酸は必須脂肪酸なので必ず食べ物から摂らなければなりません。(必須脂肪酸必須栄養素の一つです。)

体内で合成できるため必須ではない、γ-リノレン酸、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)も生体の健康維持には重要です。これらの脂肪酸は身体を構成する細胞の細胞膜やホルモンを作る材料となります。

多くのフードではそれらを多く含む食材を配合していることをアピールしていますし、総合栄養食ではリノール酸(キャットフードはアラキドン酸も)の最低基準が設けられています。

トランス脂肪酸は液体で酸化に弱い不飽和脂肪酸に水素添加して酸化に強く固体の飽和脂肪酸を作るときの副産物です。欧米ではトランス脂肪酸を食品に使うことを禁じている国もあると聞きます。化学式では同じでも含まれる炭素原子の結合構造が異なることで融点が上がり固体となります。マーガリンに多く含まれます。オレイン酸は約16度以上で液体ですが、そのトランス型の融点は約43度です。

脂質の役割

脂質の役割について、すでに述べたものもありますが整理してみます。

脂質の役割

3大栄養素の脂肪は炭水化物やタンパク質の約2.5倍のエネルギーを持っています。効率よく必要エネルギーを摂取する上で重要です。このエネルギー量の多さが「脂質=不健康」というイメージにつながっているのではないでしょうか。

脂肪酸は全身の細胞の細胞膜の構成成分ですし、皮膚の角質層を形成する細胞間脂質であるセラミド(高級な保湿クリームなどで使われる有名な物質ですね。水分の蒸発防止や皮膚の柔軟性維持に役立ちます。)は、リノール酸が主原料です。このため、皮膚、被毛の正常維持にとっても脂肪酸は不可欠です。

タンパク質の生物価

脂肪酸は脳や神経も構成していますしホルモン等各種生理活性物質を作る材料でもあります。「脂肪抜きダイエット」がどれほど危険かご理解いただけましたでしょうか。

含まれる脂肪酸の種類や新鮮さ(酸化していない)と摂取量に気使って、脂肪とお友達になれば健康増進に役立つと思いますよ。(当然ですが、摂取しすぎは肥満の元です)

必須脂肪酸については別でもう少しお話しします。




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必須脂肪酸

必須脂肪酸

脂肪酸が大切であることはお話ししましたが、脂肪酸の中には、体内で他の脂肪酸や物質から合成できるものとできないものがあります。必要な脂肪酸のうち体内合成できない又は、体内合成だけでは不足するものは「必須脂肪酸」ですので食べなければなりません。

脂肪も脂肪酸も「脂質」の仲間です。脂肪には3つの脂肪酸がくっついており、消化の際加水分解して脂肪酸として体内に吸収されます。

主な脂肪酸の生合成と必須脂肪酸

各種脂肪酸は生体内で合成されますが、全ては書き切れませんので主なところを簡単にまとめてみました。(破線矢印は直接の合成ではなく、途中省略です。)

脂肪酸の生合成・代謝経路

植物には可能なオレイン酸からリノール酸とリノール酸からα-リノレン酸への生合成は動物にはできません。このため、リノール酸とα-リノレン酸は人・犬・猫で共通の必須脂肪酸となります。

また、猫はγ-リノレン酸からアラキドン酸への生合成もできないため、猫だけアラキドン酸も必須脂肪酸です。

その他の脂肪酸も生合成される量を理由に必須脂肪酸とする説もあります。

主な脂肪酸と多く含まれる食品

体が必要とする脂肪酸で主なものを列挙しました。

分類 脂肪酸 多く摂取できる食品(一例) 備考
ω-6 リノール酸 コーン油、ベニバナ油、ひまわり油、大豆油、ごま油 必須脂肪酸
γ-リノレン酸 卵、青魚、月見草油 必須脂肪酸とする説も存在
アラキドン酸 肉類、レバー、卵 必須脂肪酸とする説も存在
猫にとっては必須脂肪酸
ω-3 α-リノレン酸 えごま油、亜麻仁油 必須脂肪酸
EPA、DHAの体内合成の原料
EPA 青魚 必須脂肪酸とする説も存在
DHA 青魚 必須脂肪酸とする説も存在
ω-9 オレイン酸 オリーブオイル 一価不飽和脂肪酸

ω-6脂肪酸は身の回りにある一般的な植物油に多く含まれ、やや過剰摂取しがちです。必須と聞くと「食べなきゃ」と思いがちですが、普通に生活していれば不足することはありません。

どちらかというと、ω-3脂肪酸の方が不足しがちです。こちらの摂取に注意しましょう。総合栄養食をきちんと食べさせている限り問題はありません。手作り食の場合は、使用する食材に含まれる脂肪酸の種類に注意が必要です。




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炭水化物

炭水化物

炭水化物は 食べ物に含まれる有機物のうち、タンパク質脂質以外のものを指します。体内でエネルギーとなる糖質と食物繊維が含まれます。
※文献によっては、食物繊維を炭水化物に含めないこともあります。

炭水化物とは

ペットフードの成分を計測する際、上の青文字のものは計測しますが、通常糖質は計測せずにフード全体から青文字の成分(水分、粗タンパク、粗脂肪、粗繊維、粗灰分)を引いて計算します。また、糖質は通常あまり表示しません。表示した場合でも「可溶無窒素物」という表現の場合もあります。

炭水化物の分類

炭水化物は大きく分けて「単糖類」「少糖類」「多糖類」に分かれます。

炭水化物の分類

少糖類と多糖類のうちの食物繊維以外は、消化酵素で消化されて単糖類になり、小腸で吸収されます。

ところが、食物繊維は消化酵素ではなく、微生物(腸内細菌)で分解します。人間や肉食動物ではこの働きが弱く、ほとんどエネルギーを作り出すことが出来ません。


炭水化物の消化

食べ物の消化には次の3つの方法があります。

  • 機械的な消化

口の中で咀嚼することです。

  • 消化酵素による消化

人間では口の中の唾液中の消化酵素から始まり、胃液や小腸で分泌される消化酵素によって各栄養素が小さな分子に消化されます。
人は唾液にもアミラーゼという消化酵素があり、デンプンがマルトース(麦芽糖)やデキストリンに分解されます。
唾液にアミラーゼを持たない犬や猫の咀嚼は、のどを通る大きさに小さくするだけです。だから、フードを丸呑みしても食べ物の消化における問題はありません。(カリカリをきちんと噛んでくれないと歯石がつきやすいという問題点がありますが)

デンプンの消化
  • 微生物による消化

盲腸・大腸では消化酵素がほとんどなく、微生物(腸内細菌)によって分解が行われます。食物繊維を消化出来る消化酵素はないので大腸(盲腸)の微生物(腸内細菌)によって発酵・分解されます。虫垂はその腸内細菌が溜まる場所です。人や犬は盲腸があるので食物繊維を若干分解できます。猫は盲腸がほとんど機能していません。犬が「雑食」、猫が「肉食」ということがここからも分かります。
草食動物の盲腸はかなり大きめです。牛の場合、1番目の胃でも微生物での分解を行っています。

糖質と食物繊維は別でお話しします。




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小型犬・猫でも安心して大袋「窒素置換小分け包装」

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自然放牧肉のドッグフード BACK TO BASICS キアオラ 人の食材を使い国内食品工場で作った手作り食派も納得のレトルトドッグフード あめつちの恵み ジウィピーク ニュージーランド産自然放牧肉で作るエアドライドッグフード ニュージーランド産ジェントルベイクド・グレインフリーフード サンデーペッツ アディクション アディクション・ワイルドアイランズ ドットわん 国産自然食ドッグフード ピリカ薬膳シリーズ げんかつごはん ペット自然食 アニマル・ワン 生物学的に適正な オリジン 数々の受賞歴をもつアカナ ウィッシュ・ドッグフード アーテミス・オソピュア・グレインフリー 穀物不使用のナチュラルフード アーテミス・アガリクスI/S サプリメント配合オールインワン・ドッグフード アーテミス・フレッシュミックス ヒューマングレード原材料のナチュラルフード リガロ ハイプロテイン・グレインフリー・ドッグフード ソルビダ オーガニック素材のドッグフード 小諸プレミアム 野生鹿肉ペットトリーツ オーシーファーム

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店長とスタッフ犬「珀(はく)」
こんにちは!店長でペット栄養管理士の徳本です。味見担当スタッフの白柴犬「珀(はく)」とともに自信を持って、安心してお召し上がりいただける美味しいご飯・おやつをお届けします。

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