ペットフード一般知識
ペットフード雑学目次
ペットフード一般知識 | ペットと栄養学 |
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フードの取扱い | |
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ペットフードの分類
ペットフードとは「ペット栄養に供するもの」の総称です。ごはん、おやつ、サプリメント、ガムなどもこれに含まれます。ペットフードはいろいろな分類の仕方があります。ペットの主食となる「総合栄養食」や、おやつ、トリーツとも呼ばれる「間食」等の目的による分類。カリカリと呼ばれることもある「ドライフード」から缶詰に代表される「ウェットフード」まで水分量に応じた分類。各分類毎にいろいろなペットフードが販売されています。
代表的な分類についてそれぞれの特徴をまとめてみました。
いわゆるごはんのことです。毎日のメインの食事として与えるためのペットフードです。他に「水」だけ与えていれば必要な栄養全てをバランスよく摂取でき、健康を維持できます。ただし、パッケージの表示で指定された「犬」又は「猫」の種別と「ライフステージ」(成長段階のこと。またはステージとも言います)に対して給与しなければなりません。犬用を猫に与えたり、高齢犬用を子犬に食べさせたりすると必須栄養素の必要量が保証されなくなります。当店では取扱いしませんが、市販の一部のドッグフードでは猫にとって有毒な添加物(保湿剤プロピレングリコール)を使用しているものもあります。
「総合栄養食」と銘打つためには、ペットフードの公正競争規約で規定されている栄養の基準をみたし、かつ、そのことを分析試験か給与試験(実際に与えてみる試験)で確認しなければなりません。
簡単にいうと「おやつ」です。「トリーツ」や「スナック」、「ご褒美」と呼ぶこともありますね。分類上では「間食」といいます。
総合栄養食と違って、栄養基準はありませんから、日々の適切な栄養バランスを維持するために「給与限度」(回数や量)が記載されています。給与限度は、1日に必要なエネルギーの20%以内となるよう計算されています。
2015年7月の「ペットフードの表示に関する公正競争規約」及び「同施工規則」の改正で新たに分類が定められたペットフードです。それまでは「その他の目的食」に含まれていました。特定の病気や健康状態のペットに対して栄養面でのサポートを目的に獣医師の指導の下で食事管理に使用されるペットフードのことです。栄養素の配合が偏っています。通販でも入手は可能ですが、診察も受けずに素人判断で健康状態を判断して療法食を与え続けると本来動物が摂取するべき栄養が食べられなくなる恐れもあります。基本は総合栄養食を与えるようにして、お医者さんの判断があったらその治療期間のみ療法食を与えるようにしましょう。
例えば、検査もせずに「うちの子は結石だったからストルバイト結石の療法食」なんて勝手に食べさせていると「ストルバイト結石」が既に治っていて逆に「シュウ酸カルシウム」を引き起こすことになります。ちなみに、ストルバイト結石は食餌療法が可能ですが、シュウ酸カルシウム結石は外科手術が必要です。
「総合栄養食」、「間食」、「療法食」のいずれでもないペットフードのことを指します。雑な分類ですね。特定の栄養素を補充(サプリメント)したり、カロリーを補給したり、おいしさをアップ(ふりかけ、トッピング、副食)したりするなどの目的で与えられます。「一般食」、「副食」、「トッピング」などの名前で記載されます。
犬や猫の母乳成分に合わせたミルクです。生後1か月ぐらいの代用乳として、又は授乳している母犬・母猫に与えるためのものです。粉や液体で販売されています。この時期はものすごい量の栄養とカロリーを必要とします。犬・猫の母乳は超ハイカロリー・超高濃度栄養素なんです。この時期の子犬(猫)や母犬(猫)に牛乳で代用するとあらゆる栄養素とカロリーが不足しますのでやめましょう。(詳しくは、「カロリー摂取(妊娠期・授乳期)」をどうぞ。)
牛乳に豊富に含まれるラクトース(乳糖)を分解する酵素が犬や猫には少ないです。下痢の原因となりますので、ラクトースの少ないペット用のミルクを使ってください。(この意味では成犬・成猫にミルクを与える場合も同じです。)
約1歳(大型犬では約1歳半、超小型犬では約10カ月となり一律12ヶ月ではありません。)までの成長期に与えるフードです。この中でも離乳用フード(~生後約2ヶ月)とその後のフードに分かれます。タンパク質や脂質など成長に必要な栄養素が強化されています。カロリーも高めです。
健康を維持していくためのフードです。成長は止まっていますので幼少期のフードよりもカロリー控えめです。大人になっても幼少期用フードを与えると太ってしまいます。様々な製品が販売されています。
約7歳(6~8歳ぐらい。小型犬は遅め。)以降では、高齢犬(猫)用フードを与えます。ペットも高齢化社会になり、「高齢期用」は近年フードの種類が急激に増加しているカテゴリーです。運動量の減少や体の機能低下(関節など)に対応したフードがあります。フード毎に特徴がありますので、体の状態に合わせて選ぶことが可能です。
離乳後の幼少期から高齢期まですべての年齢に対応したフードです。栄養基準は全ての年齢期に適合できるようになっています。年齢期が変わるときにフードの切り替えが不要になることや異なる年齢期で多頭飼いしている場合などに便利であるといった利点があります。
カロリーが成犬用を基準としているため、幼少期にはそれを量でカバーしなければなりません。小食の子にはちょっと向かないかもしれません。
水分量約1%以下のペットフードを指します。ドライフードの総合栄養食では加熱発泡処理されたものが多く出回っています。水分量13%以上になるとカビ・微生物が増殖していきますので、安全のため10%以下にしています。中には伝統的なお肉の保存方法を応用したジャーキータイプなど水分約15%のフード(ジウィピーク等)や、保存料を全く使用しない製品では、5%以下に乾燥させることで保存期間を確保しているもの(ドットわんごはんシリーズ等)もあります。
ドライフードの利点は、1:保存性がよく取り扱いが簡単、2:単位重量当たりの栄養価が高い、3:他のタイプと比較して安価、ということでしょう。逆に短所は、嗜好性がよくないということです。ドライフードの利点を生かすためには愛犬・愛猫にドライフードに慣れ親しんでもらう必要がありますね。
折角の保存性もご家庭での保管状況で台無しにしてしまうことがあります。そうならないよう、酸化防止についてもご参考になさってください。ドライフードを冷蔵庫で保管することはNGです。冷蔵庫から出した時の結露で水分量が増加します。
水分量約25%~35%のフードです。加熱発泡製品を「ソフトドライ」、そうでないものを「セミモイスト」と呼ぶこともあるようです。日本語でいうと「中間水分製品」・・・響きが悪い・・と思うのは私だけでしょうか?
このタイプは「間食(おやつ)」に多いですよね。総合栄養食にもソフトドライ製品があります。やわらかいと嗜好性がアップするのでドライフードを嫌がる子にはこのタイプもどうぞ。おやつでは素材を乾燥させただけのものや「ねり」加工
の製品などを見かけます。
このタイプはカビ等を増殖させないための「乾燥」が不足していますから、「酸素」を除去することで保存性を確保しています。製品のパッケージにはガスバリア性能を持つラミネートパックを使用して、真空パック又は窒素置換包装か脱酸素剤封入かで、酸素を取り除いています。(当店の窒素置換小分け包装と同じです。ドライフードですが窒素置換包装と脱酸素剤の併用で処置しています。)
パッケージを開封したら、できるだけ速やかに使い切ってください。
水分量75〜80%のペットフードです。総合栄養食がほとんどで、缶詰やアルミトレー、レトルトパウチ等で包装されています。国産のフードでは、食品衛生法(人用食品の衛生管理の法律)を準用して作られることが多く、製造工程が人用と全く同一なことから同じ工場で人用食品の製造もおこなわれている場合もあります(あめつちの恵み)。開封後保存は全くできませんので、残ったら冷蔵庫で保存してその日に使い切るのが基本です。
ウエットフード+飲水すると、ドライフード+飲水よりも水分を摂取ができます。コストが高くなりやすいウエットフードですが、最大の利点は水分摂取量です。脱水しやすく食欲も減退する夏場や秋から冬にかけての乾燥時期の尿路結石防止にウエットフードをご活用ください。
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