ペットと栄養学
炭水化物
炭水化物は 食べ物に含まれる有機物のうち、タンパク質と脂質以外のものを指します。体内でエネルギーとなる糖質と食物繊維が含まれます。
※文献によっては、食物繊維を炭水化物に含めないこともあります。
ペットフードの成分を計測する際、上の青文字のものは計測しますが、通常糖質は計測せずにフード全体から青文字の成分(水分、粗タンパク、粗脂肪、粗繊維、粗灰分)を引いて計算します。また、糖質は通常あまり表示しません。表示した場合でも「可溶無窒素物」という表現の場合もあります。
炭水化物は大きく分けて「単糖類」「少糖類」「多糖類」に分かれます。
少糖類と多糖類のうちの食物繊維以外は、消化酵素で消化されて単糖類になり、小腸で吸収されます。
ところが、食物繊維は消化酵素ではなく、微生物(腸内細菌)で分解します。人間や肉食動物ではこの働きが弱く、ほとんどエネルギーを作り出すことが出来ません。
食べ物の消化には次の3つの方法があります。
- 機械的な消化
口の中で咀嚼することです。
- 消化酵素による消化
人間では口の中の唾液中の消化酵素から始まり、胃液や小腸で分泌される消化酵素によって各栄養素が小さな分子に消化されます。
人は唾液にもアミラーゼという消化酵素があり、デンプンがマルトース(麦芽糖)やデキストリンに分解されます。
唾液にアミラーゼを持たない犬や猫の咀嚼は、のどを通る大きさに小さくするだけです。だから、フードを丸呑みしても食べ物の消化における問題はありません。(カリカリをきちんと噛んでくれないと歯石がつきやすいという問題点がありますが)
- 微生物による消化
盲腸・大腸では消化酵素がほとんどなく、微生物(腸内細菌)によって分解が行われます。食物繊維を消化出来る消化酵素はないので大腸(盲腸)の微生物(腸内細菌)によって発酵・分解されます。虫垂はその腸内細菌が溜まる場所です。人や犬は盲腸があるので食物繊維を若干分解できます。猫は盲腸がほとんど機能していません。犬が「雑食」、猫が「肉食」ということがここからも分かります。
草食動物の盲腸はかなり大きめです。牛の場合、1番目の胃でも微生物での分解を行っています。
糖質と食物繊維は別でお話しします。
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