ペットと栄養学
水分摂取
大事な水分補給。飲み水の準備は大丈夫ですか?好きな時にいつもきれいな水が飲めるようになっていますか?
水分の摂取は飲み水からだけではありません。食べるものにも水分は含まれています。そしてあと一つ。さてそれは何でしょう?(メインの内容ではありませんので、軽~く考えてくださいね。)
1日に必要な水分量(ml)の目安は、概ね1日に必要なエネルギー量(DER:Daily Energy Requirement)のカロリー値(kcal)となります。人間も同じですよね。あくまで目安ですのでいろんな条件で変化します。
授乳期や下痢・嘔吐などの体調不良や発熱などの時は通常よりももっとたくさんの水分が必要です。
これを体重に置き換えると、体重1㎏あたり約50mlとなります。こちらは本当にざっくり目安です。
猫は乾燥地方が原産です。のどの渇きに強いのですが、逆にいうと「鈍感」ということです。水を飲むために移動することはほとんどなく、歩いていて水が目に止まったから飲むぐらいなのだそうです。
猫が歩き回る家じゅうの全ての部屋に水飲み場を作るぐらいでちょうどいいぐらいです。
フードの種類によってそこに含まれる水分量がかなり異なります。そんなの見れば分かると突っ込まれそう・・・(詳しくは、こちら)。そのために食べているフードでも必要な「飲水」量は異なります。
ドライフードには水分がほとんどありませんから、水をたくさん飲む必要がありますが、ウエットフードと飲水の方がドライフードと飲水よりも水分摂取量は多くなるとの研究結果が発表されています。水だけを別途飲むというのも大変なのでしょうね。仮に私たちがみそ汁や水分の多い食べ物を口にせず、クラッカーとサプリメントのみを食べて不足する水分は「真水」のみで補うとすると・・・そんなには飲めませんよね。
ウェットフードの利点はここにあります。夏場の食欲が減退するときだけでなく、秋から冬にかけての乾燥時期もウェットフードは水分摂取のために活用できます。乾燥時期に水分が不足すると結石になりやすいです。その予防にもウエットフードをご活用ください。
最初の問題の「?」は「代謝水(Metabolic Water)」です。3大栄養素(炭水化物、脂肪、タンパク質)を分解してエネルギーを取り出すときに生じるものです。やかんを火にかけるとやかんの周りが曇りますが、これはガスが燃えたときに発生する水蒸気によるものです。
エネルギー生成100kcalあたり13mlの代謝水が生じます。ラクダのコブの中身は脂肪ですが、これを燃やすことで生じる代謝水のおかげで、砂漠で水をあまり飲まずに生きていけるのです。
このことは、フードを食べさせるときに水が要らない理由にはなりません。水は十分に与えてください。常時飲みたいときに飲みたいだけのきれいな水が飲めるようにしておくことは、飼い主の義務といえます。
加えて、日々の飲水量はよくモニターしておきましょう。犬なら飲水ボトルの減り具合でわかるかと思います。猫の場合はあちこちに水を置くのでわかりにくいですが、トイレの砂の塊の量で判断できるそうです。急激に飲水量が変化したときは体調不良を疑ってください。増えた場合もです。例えば、高齢犬で飲水量が増加した場合は腎臓の病気の疑いがあります。
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